社説:沖縄戦学習 力合わせ実りあるものに
11年度から実施される新学習指導要領の小学校社会科解説書に「沖縄戦」が初めて盛り込まれた。解説書は文部科学省が教科ごとに解釈やポイントを示すもので、教科書の記述や教室の授業の内容に影響する。充実を期待したい。
ただ、一片の通知が状況を変えるほどこの課題は簡単ではない。今回、解説に原爆や空襲も初めて記された。戦争体験の意味や教訓を次代へどのように継いでいくかは、年を追って難しくなりつつある。継承や学習を実りあるものとするためには、知恵や工夫を寄せ合い、実践を絶えず重ねていくことが必要だ。
きっかけになったのは、文科省の06年度の高校日本史教科書検定だった。沖縄戦の住民集団自決に関する記述で「軍の強制」を認めない検定意見が付いて教科書会社側が記述変更したことが明らかになり、沖縄県民や自治体、議会などが強く反発した。
文科省は教科書会社側から訂正申請を受けるかたちで事実上の検定やり直しをし、「強制」という直接的表現は受容しなかったが、「軍によって追い込まれた」などの表現で軍関与を認めた。その際、文科相が「歴史の教訓を風化させないように願う県民の思いを重く受け止め、沖縄戦に関する学習を一層充実させる」と約した経緯がある。
学童疎開船「対馬丸」撃沈の惨劇。そして今の中学、高校生の年代に相当する男女学徒らを「鉄の暴風」と呼ばれる戦場に動員した沖縄戦は、学校教育の場で児童生徒の心をより深くとらえ、考えさせる。
一般住民を巻き込み、犠牲を強いる総力戦。本土決戦準備のための時間稼ぎをする「捨て石」とされた沖縄戦は、最後は住民も見捨て、集団自決にも追い込んだ。さらに戦後の米軍統治、復帰後も続く広大な基地の圧迫。今もあの戦いの延長上に沖縄はある。
そうしたさまざまな側面と意味を包含する沖縄戦をどう教え、学習を発展させていくか。それはまた、子供たちに自分たちの地域と戦争のかかわりに目を向けさせ、日本、アジア、世界と戦争問題を考える視野を広げることにもなろう。先生任せではなく、私たちが次代へ責任をもって伝えていくべき課題と考えたい。
また、先の沖縄戦記述をめぐる問題は、教科書検定の「密室性」の問題を改めて浮き彫りにし、批判を招いた。このため文科相は沖縄戦学習の充実と並んで、教科書検定過程の透明性向上を検討することも表明し、今、審議会で論議している。
透明化は外部圧力を招くという懸念もある。それは排除しなければならないが、一方、内容が恣意(しい)的に左右されているのではないかという不信や不安、疑念が国民の間に広がる方がより深刻ではないか。思い切った改革を望みたい。
毎日新聞 2008年7月1日 東京朝刊
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