「安積香山…」 万葉集の歌、墨書の木簡見つかる 滋賀
2008年05月23日01時56分
滋賀県甲賀市教委は22日、同市信楽町の宮町遺跡(8世紀中ごろ)から発見された、古今和歌集の歌が記された木簡の裏に、万葉集の歌も書かれていたことがわかったと発表した。出土した他の木簡に記載された年号から、この歌が収められた万葉集16巻の成立(750年前後)より数年から十数年前に墨で書かれたとみられ、万葉集の編纂(へんさん)以前から、収録の歌が宮中で根づいていたことがうかがえる。
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万葉集収録の歌が書かれた木簡が確認されたのは初めて。両面の2首は、紀貫之が古今和歌集の仮名序(905年)で、初心者が最初に習う「歌の父母」のような一対の歌と紹介しており、その150年も前から2首の組み合わせは成立していたと言える。万葉集が生まれた過程をはじめ、当時の歌の文化をさぐる手がかりとなりそうだ。
同遺跡は奈良時代に聖武天皇が造営した紫香楽宮(しがらきのみや)跡とされる。木簡は97年度の調査で発見。上下二つに分かれて出土し、上部は長さ7.9センチ、下部は14センチ、いずれも幅2.2センチ、厚さ1ミリ。漢字1字を1音で表記する万葉仮名で「奈迩波ツ尓(なにはつに)」「夜己能波(やこのは)」「由己(ゆご)」とあり、古今和歌集収録の「難波津(なにはつ)に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」の一部とみられる。
反対側の面の上部には「阿佐可夜(あさかや)」、下部には「流夜真(るやま)」と書かれている。万葉集16巻には、陸奥国に派遣された葛城王をもてなした前(さき)の采女(うねめ)=元の女官=が、王の心を解きほぐすため宴席で詠んだ「安積香山(あさかやま)影さへ見ゆる山の井の浅き心を我が思はなくに」が収録されている。
大阪市立大大学院の村田正博教授(国文学)は、天皇をたたえた難波津の歌と、男女の恋愛がテーマの安積香山の歌が同じ木簡に書かれていたことに注目。「難波津の歌はいわば公の歌。宮廷の歌会に出席した人物が、この歌が書かれた木簡を持ち帰り、裏に安積香山の歌を書き加えたのでは」と推測する。当時広く知られた2首を両面に書き、歌を習い始めた家人に教えていたことなどが考えられる。
奈良大の上野誠教授(万葉文化論)は「人々の間に広まっていた歌が書き記され、歌集になるという万葉集の成立過程を明らかにする上で極めて重要な発見だ」と話す。
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