社説:北海道洞爺湖サミット アフリカ自立の出発点に
長期低迷から脱し、安定的成長を目指しているアフリカ諸国に、世界的な食糧価格高騰が重荷となっている。北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は主要8カ国(G8)とアフリカ7カ国との拡大会合で始まり、食糧問題が議論の中心になった。
会合ではG8側が緊急食糧支援や食糧輸出規制対策などの提案を行った。食糧増産のための品種改良やかんがいなどでの技術協力、資金協力も表明された。
食糧の安定的な確保は、持続的な経済発展の基礎条件だ。ところが、多くのアフリカ諸国はこの条件を欠いている。植民地時代以来の単一商品作物中心の農業構造や、内乱などによる耕地の荒廃、砂漠化による耕地の疲弊などのためだ。
保有している資源価格の高騰で財政状況が改善し、民間投資も流入している国でも、自らの食をまかなうことができなければ、経済の前途は危うい。
アフリカ諸国は00年の九州・沖縄サミットから拡大会合に招待されている。サミットで経済の存立につながる食糧や農業が正面から取り上げられたのは今回が初めてだ。
アフリカで大事なことは自給不能の構造から脱却することだ。そこで、自給や増産につながる中長期対策に主要国、アフリカ諸国双方が取り組む必要がある。G8は今回の約束を確実に果たさなければならない。
持続的な経済発展のためには、この他にも課題がある。アフリカ諸国は温暖化対策を経済発展の阻害要因ととらえている。
しかし、気候変動で少雨化すれば砂漠が広がり、農業や牧畜に打撃を与える。水不足の深刻化など、経済活動や市民生活にも大きな影響を及ぼす。日本が提案している気候変動対策支援のクールアース・パートナーシップなどを積極的に活用し、アフリカ諸国が工業化の早い段階で対策を立てることが望ましい。
地球規模の環境問題には先進国、途上国の区別はない。温暖化はアフリカにも人ごとではないのだ。対応が遅れれば、遅れるほど被害は大きくなる。
また、アフリカでは感染症などにより多くの命が失われている。保健衛生面の施策は決定的な意味を持っている。ところが、国連のミレニアム開発目標の保健衛生分野ではアフリカの達成率は低い。主要国は感染症対策の国際機関創設を首脳宣言に盛り込む意向だが、形だけのものにしてはならない。
アフリカの成長が加速しているとはいっても水準はまだ低い。国内の貧富の格差も大きい。経済社会基盤を固めるため、自ら努力することが重要だ。先進国にはそれを後押しすることが求められている。
洞爺湖をアフリカ自立の出発点にしたい。
毎日新聞 2008年7月8日 東京朝刊
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